著者・新川帆立は弁護士の資格を有する法律家ですが、作家としても活動をしています(現在は作家業に専念中)。
プロ雀士として活動していたこともあるようで、該博な印象を受けました。とても頭が良い方なのでしょう(作家のことはあまりよく知りませんが)。
今回紹介する『元彼の遺言状』は、宝島社が主催する「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した作品になります。
あらすじ:
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺言状が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。
引用元:宝島社『元彼の遺言状』
ミステリ小説に「遺言状」はさほど珍しくもないですし、展開も特に真新しさというか奇をてらったものではありませんでした。しかし、この著者のすごいところは、主人公・剣持麗子という弁護士を生み出したことではないかと思います。
2022年4月からドラマ化(主演・綾瀬はるか)も決定しているようですが、剣持先生が見事にキャラ立ちしているので、読み物としてよりは映像作品としての方が面白いかもしれません。
著者:新川帆立
出版:宝島社