現役弁護士が法律の知識を駆使して執筆した「法廷ミステリ」ということで話題になった作品。いくつか賞をとったようですが……。
今回紹介するのは、著者・五十嵐律人の処女作でもある「法廷遊戯」です。
あらすじ:
法律家を志した三人の若者。一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った――謎だけを残して。
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。二人の"過去"を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、彼らの周辺で不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
引用元:講談社『法廷遊戯』
題材は良かったと思いますし、法律家だからこそ書ける作品なんだと思います。表題の「法廷遊戯」にも惹かれました(いわゆるジャケ買いです)。この小説を読んで最初に思ったことは、「優れた法律家になれたとしても、優れた作家になれるとは限らない」ということです。「絶賛の嵐」とはこの作品のとある紹介文ですが、作家としてデビューするには文章力が気になるところです。登場人物の魅力にも欠け、会話の不自然さがとても目立ちます。
忖度のない感想を心がけていますので、感じたことをありのまま書かせていただきました。弁護士業を頑張ってください。
著者:五十嵐律人
出版:講談社