英国ミステリの女王ドロシー・L・セイヤーズ。今回紹介するのは、「ピーター・ウィムジイ卿」シリーズの長編3作目『不自然な死(Unnatural Death)』。
癌に冒された裕福な老婦人が思わぬ早さで死亡。疑問を感じた医師は検死解剖を主張するも、殺人の痕跡は発見されず。この不審死に興味をそそられたピーター卿が事件を捜査するというお話です。
あらすじ:
殺人の疑いのある死に際会した場合、検死審問を要求すべきか否か。とある料理屋でピーター卿とパーカー警部が話し合っていると、突然医者だという男が口をはさんできた。彼は以前、診ていた癌患者が思わぬ早さで死亡したおり検死解剖を要求したが、徹底的な分析にもかかわらず殺人の痕跡はついに発見されなかったのだという。奸智に長けた殺人者を貴族探偵が追いつめる第三長編!
引用元:創元推理文庫『不自然な死』
予定調和感が否めない模範的なミステリ。現代では珍しくもない設定ではありますが、知的で格調高い文章に引き込まれて一気に読み切ってしまいました。
著者:ドロシー・L・セイヤーズ
訳者:浅羽莢子
出版:東京創元社(創元推理文庫)