【サラ・パレツキー】女性版ハードボイルド「サマータイム・ブルース(新訳)」

アメリカの推理小説作家サラ・パレツキーのデビュー作「サマータイム・ブルース」は、シカゴを舞台に活躍する男勝りな女私立探偵V・I・ウォーショースキーが主人公のハードボイルド小説です。

パソコンも携帯電話もない時代。デビュー作でこれほどの作品を書き上げたというのに驚愕しました。

 

あらすじ:
料金は一日百二十五ドルと必要経費。報告書は作成しますが、調査方法の指図はお受けしません――夜遅くに事務所を訪れた男は、息子の恋人の行方を捜してくれと依頼する。簡単な仕事に思えたが、訪ねたアパートで出くわしたのはその息子の射殺死体だった。依頼人が被害者の父親ではないことも判明し、さらには暗黒街のボスが脅迫を……圧力にも暴力にも屈しない私立探偵V・I・ウォーショースキーの熱い戦いが始まった!

引用元:ハヤカワ文庫『サマータイム・ブルース』

 

犯罪がはびこる都会を生き抜く女探偵ウォーショースキー。危険な犯罪者を前にしても怯むことなく、事件を解決に導く姿が応援したくなります。

男性至上主義の価値観を持つ男たちが多かった時代。逆に軟弱な男どもを寄せ付けないタフな主人公が、読者たちの共感を呼んだのは納得です。

「ハードボイルド=男性」のイメージが強いからか、出会った男性と簡単に寝てしまうところが引っかかるという方もいるようです。これが男性主人公であれば、すんなり受け入れるのでしょうが(私は気になりませんでしたが)。読む時代によって、読み手の受け取り方も大きく変わるということですね。

 

Amazon: サマータイム・ブルース (ハヤカワ文庫)

著者:サラ・パレツキー
訳者:山本やよい
出版:早川書房(ハヤカワ文庫)

-サラ・パレツキー, 外国人作家
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