「アル中探偵マット・スカダー」シリーズで知られるローレンス・ブロックですが、空き巣を主人公とした「泥棒バーニイ」も人気が高いシリーズです。
今回紹介する『泥棒は選べない（Burglars Can't Be Choosers）』は、シリーズ長編1作目となり、”盗み”を愛する小粋な泥棒バーニイが、探偵顔負けの推理で事件を解決する傑作です。
あらすじ：
うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで五千ドルの報酬をくれるという。だが、家捜しを始めたとたん、パトロール警官の二人組に踏み込まれた。その上、寝室からは死体が見つかり、私は当然殺人犯として追われるはめに。容疑を晴らし、再びプロの泥棒としての仕事をするためにも、自分の手で事件を解決しなくてはならない。マンハッタンの泥棒探偵バーニイ・ローデンバー、小粋に文庫初登場
引用元：ハヤカワ文庫『泥棒は選べない』
質のいいユーモアに、謎解きの要素が加わった作品。主人公バーニイ・ローデンバーの、軽快で紳士的な語り口に好感が持てます。
金で便宜をはかってもらうバーニイ。金をあっさり受け取る警官レイ。どちらにも嫌悪感を抱かせない軽妙洒脱な筆致はさすがといったところ。
「マット・スカダー」シリーズと比べると、ライトなミステリーに仕上がっています。
Amazon: 泥棒は選べない (ハヤカワ文庫)
著者：ローレンス・ブロック
訳者：田口俊樹
出版：早川書房（ハヤカワ文庫）
